2021年1月2日土曜日

COMPUMA & 竹久圏「Reflection」CD+煎茶ティーバッグ ギフトボックス発売、Soundcloud視聴音源公開のお知らせ。


あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。


昨年11月に、京都老舗茶問屋、宇治香園の創業155年、"Tealightsound"番外編としてCDリリースさせていただきました COMPUMA&竹久圏「Reflection」が、宇治香園さんのベストセラー商品の煎茶「清風」ティーバッグとセットとされて、五木田智央さんのアートワークがデザインされた特別なギフトボックスとして限定発売されることになりました。

















CD+煎茶ティーバッグ ギフトボックス 3662円(税込)

*2021年1月5日発売宇治香園HPオンラインショップにて予約受付中)

ぜひこの機会に、その深く美しい味わいをセットでお楽しみください。

宇治香園オンラインショップ宇治香園(大阪心斎橋店)、SOMETHING ABOUT ONLINE SHOPにて販売させていただきます。













「Reflection」視聴音源もSoundcloudへ公開させていただきました。

COMPUMA & 竹久圏「Reflection」sampler(Soundcloud)





前作「SOMETHING IN THE AIR - the soul of quiet light and shadow layer-」も視聴音源を公開させていただきました。こちらもよろしければぜひともどうぞ。

































Reflection に寄せて


こんにちは。私は京都南端の茶問屋、宇治香園で茶師をしております、小嶋宏一と申します。茶師とは、品種や標高で異なる茶葉の特徴を利き分け、組み合わせ、代々続く銘柄を作る、お茶の調合師のような職人のことです。私はお茶が大好きで、その魅力をさまざまな場面でお伝えしたいと考えています。


当園では毎年、創業を茶の起源再考の機会として、光と音で茶を表現するTea+Light+Sound=“Tealightsound”というコンセプトのもと、茶を感じるクリエイターの方々に作品を制作していただいています。

茶のすばらしさ、魅力を体感していただくには、実際に茶葉にお湯を注ぎ、そこから滲み出した雫を口に含んでいただくのが一番です。しかしそこには、地理的、空間的な制約が生じます。光(アート、写真、デザイン、映像)や音(音楽)は、そうした制約を超え、その存在を伝えることができます。


また一方、茶は飲料、植物、精神文化の拠点となるような多面的存在ですが、日々茶づくりを行う中で、実はもっと巨大な何かなのではないか、と感じるようになりました。そうしたことを、茶と似た質を持つ光と音と共に伝える試みが"Tealightsound"です。


この"Tealightsound"という概念は、平成二十七年の創業記念作品、COMPUMA feat. 竹久圏 / 「Something in the Air – the soul of quiet light and shadow layer -」制作時にぼんやりと思い描いていたことを、徐々に言葉にしてゆく過程で生まれました。いわば「Something~」は、"Tealightsound"の原点なのです。

それから五年の歳月を経て、COMPUMAさんと竹久圏さんに、改めてその原点に向き合っていただく機会を得ました。「Something~」は、とある茶園に捧げるレクイエム、と当時のCOMPUMAさんは書いておられますが、実際その茶園は録音直後に放棄されて廃園となり、その言葉が(偶然)現実化しました。


今、茶業界では急須で飲むお茶離れから若い生産者が減少し、重労働を伴う山間茶園の手入れが難しくなって、放棄される所が急増しています。いったん放棄されるや自然の力はすさまじく、雑草が生い茂って以前の姿に戻すことは極めて困難です。このすばらしい力を秘めた茶の魅力をもっと広く伝えることで、茶に興味を持つ人が増え、茶園に若い力が戻ってきてほしいと、切に願います。


本作「Reflection」は、廃園と化して五年を経た茶園に再訪し、フィールドレコーディングを行うことから制作をスタートしました。かつて美しかった茶園がジャングルのように変貌した姿を前にして、お二人には様々な思いが去来したことと思います。そうした諸々を含めての「Reflection」。何が変わり、何が変わらなかったのか。ぜひ「Something~」と聴き比べていただきたいと思います。


また本年は、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)が世界を覆い、様々な価値観を塗り替えたことで記憶される年になろうかと思います。「Reflection」は、そんなコロナ禍のさなか、緊急事態宣言解除後の六月より制作が開始され、十月に完成しました。作品は、望むと望まざるとにかかわらずその時代を映し込みますが、今作は五年後、そして十年後に、どのように聴かれるのか、とても興味深いです。お茶にエージング(熟成)があるように、音楽にも別の形のエージングがあるのかもしれません。これから今作とともに歳月を重ね、それを味わい、確かめてゆきたいと思います。


この作品を、すばらしい音楽、アートワーク、写真、デザインの集まりとして体験していただくとともに、茶そのものにも興味をもっていただき、茶の世界に足を踏み入れるきっかけにしてもらえましたら、とてもうれしく思います。



令和二年十月二十二日

宇治香園 茶師


小嶋宏一